BLOG
2020/10/23 15:32
初めてのイベント土間日和の開催に合わせて作った、丸三角四角のヘアゴム。
イベントで「もっと大きくてもいいよね。」「それからもっと薄いほうがいいな。」
という声を頂き、ならばと作ってみたのが直径6.2㎝のデカマルブローチ。
こちらを製作してくださるのは、石川美保子さん。女性ならではの細かな仕事で丁寧な仕上がりです。
先日石川さんの工房へお邪魔して、お話を伺ってきました。
石川さんが樺細工の仕事を始めたのは、お姑さんの影響だったそう。
結婚し、嫁いだ先のお姑さんの工房には当時5、6人のお手伝いさんが通い樺細工を製作されていたそうです。
(工房に飾られているお姑さんの写真。どこかの展示会で実演している所のようです。)
石川さんは当時勤めていた会社を出産・子育てのために離れ、子どもたちが保育園に通うようになってから
お姑さんに樺細工の製作を教わり始めました。
今から40年くらい前でしょうか、当時は樺細工も冠婚葬祭や贈答品として喜ばれ仕事の依頼も大変なものでした。
壁掛け、引き出し、茶びつなど数多くの樺細工をお姑さんと共に手がけ、
多くの技術を受け継いできました。
今現在はお一人で製作されています。
デカマルブローチの霜降り皮、山桜の皮の節の盛り上がりを削っているところ。
削った部分も一つ一つ、手作業でサンドペーパー(紙やすり)で仕上げていきます。
山桜の皮を一枚一枚、丁寧に削り、
削った部分をサンドペーパーで滑らかな手触りになるまで仕上げます。
光の反射で光っていますが、、、
ブローチの横部分に用いる皮は、節目がないように。
手に取った時の手触りを意識して、角の仕上げは念入りに。
気持ちの良い使い心地にこだわれば、
見た目の美しさも増すのが不思議です。
初めて作った時は、「こんなに大きなブローチある?と思った。」とお話しされてましたが
なんとなんと、さらに大きなサイズをお願いしました。
さらに大きな直径7.4㎝、ドデカマル。石川さんの手の上。
秋冬ファッションのアクセントに、バックに付けてポイントに。
伝統工芸を日々楽しんでいただけたら嬉しいです。
顔写真は恥ずかしいから、手だけなら。ということで写真を撮らせていただきました。
お姑さんの写真を工房に飾り、「守り神だと思ってる。」と笑う石川さんが印象的でした。
お姑さんから石川さんへ、受け継がれた樺細工の技術。
デカマルブローチをご覧になる際は、
守り神のもとで皮を削る石川さんの姿をぜひ想像してみてください。
石川さん、お忙しい中ありがとうございました!